猫の寄生虫

犬の寄生虫の記事でも述べましたが、寄生虫には「内部寄生虫」と「外部寄生虫」の2種類がいます。

外部寄生虫であるノミやダニは、なじみがあるかもしれませんが、内部寄生虫は詳しく知らない方も多いかと思います。
内部寄生虫は、猫に対してはどのような影響を及ぼすのでしょうか。

猫が寄生虫によって苦しい思いをしないためにも、寄生虫について知っておきたいですよね。
今回は内部寄生虫が猫に寄生した場合の症状や予防・治療法などを解説していきます。

フィラリア

フィラリアは、蚊を媒介して体内に侵入する寄生虫です。
犬だけの病気だから猫は大丈夫と思っている方も多いかもしれません。
しかし、猫にも感染する寄生虫なのです。

猫の体内に入ったフィラリアは、肺動脈や心臓に寄生します。

ただ、猫の場合は感染してもはっきりとした症状の特徴があまり見られません。
そのため他の病気と区別がつきにくく、早期発見が難しくなっています。
獣医からしても猫のフィラリアは診断が難しく、感染に気がつかないまま死亡してしまった例もあるようです。

猫は完全室内飼いだから大丈夫と思っている方もいるかと思いますが、油断はできません。
フィラリアは室内飼いであってもいつ刺されて感染してもおかしくないのです。
玄関や窓など、侵入経路はいくつもあるのでフィラリアの予防は必要です。

症状

猫は、犬とは異なりフィラリアに感染しても特徴的な症状はほとんど見られません。
他の病気との区別がつかず、獣医師でも判断が難しいとされています。

  • 軽い咳
  • 息切れ
  • 嘔吐
  • 食欲不振
  • 体重減少

猫の場合、これらの症状が主に見られます。

これらの症状の中でも特に多く見られるのが、軽い咳です。
10日間ほど咳が続くのがほとんどのため、風邪だと勘違いして病院に連れていくのが遅くなることも。
また猫のフィラリアは獣医師でも判断が難しいため、猫喘息などの誤診をしてしまう場合も少なくありません。

発見が遅れると、症状は進行していきます。
重症化した場合、突然死を招く危険もあるので異変を感じた際はフィラリアの検査をしてみると良いかもしれません。

原因

猫がフィラリアに感染する原因は、犬と同じで「蚊」です。

フィラリアに感染している犬の血液を吸った蚊が、猫の血液を吸うときに体内にフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)が入り込みます。
このように、基本的に犬と同じ感染経路となります。

こうしてフィラリア感染犬から、蚊を媒介して感染していない猫にまで感染が広がっていくのです。
猫の体内に侵入したミクロフィラリアが、血管内で成虫に成長して肺動脈や心臓に寄生して健康被害を起こすのです。

予防・治療法

近年、猫のフィラリア感染の報告も増えてきています。
10匹に1匹の猫はフィラリアに感染しているとのデータもあり、またそのうちの約4割が室内飼いの猫でした。
蚊は窓や玄関などから簡単に入ってくるので、完全室内飼いだからと油断はできないため予防することが大切です。

フィラリアは怖い病気ですが、フィラリア予防薬を使用してしっかり予防しておけば問題はありません。
猫のフィラリア予防薬は、皮膚に直接垂らす滴下式スポットタイプのものがあるので、簡単に投与ができます。
飲み薬が苦手な猫でも、安心して投与できますね。

フィラリア予防薬には様々な商品が出ています。
特にレボリューションストロングホールドは、効果や安全面から人気な予防薬として知られています。

また万が一フィラリアに感染してしまった場合は、早めに治療を行いましょう。
異変を感じた際には、すぐに動物病院に連れていくことが大切です。
どちらも滴下式の予防薬なので、簡単に投与ができます。

また治療法ですが、フィラリアは重症化していた場合は摘出手術になりますが、基本的には駆虫薬の使用となるでしょう。
手術の場合、血管などを傷つけずに摘出することは非常に難しいとされているので、できるだけ駆虫薬で治療してあげたいところです。

結局は、感染しないように予防してあげることが最善の対策でしょう。

条虫

条虫は「サナダムシ」とも呼ばれる寄生虫で、瓜実条虫のことを指します。
消化管内寄生虫に分類され、片節という卵を大量に含んだ袋がいくつも連なって形成されている独特の寄生虫体となっています。

瓜実条虫は、ノミを媒介して猫の体内に侵入する厄介な寄生虫です。
瓜実条虫の幼虫を持ったノミを飲み込むことで感染します。
そのため、瓜実条虫に感染された場合はノミの駆除も行わなければなりません。

ペットの排せつ物や肛門などに、米粒のようなものが動いていたら、瓜実条虫を疑ってもいいでしょう。

また瓜実条虫は犬や猫だけでなく、人間にも寄生する恐れのある寄生虫です。
愛犬や愛猫、自身を守るためにも瓜実条虫はしっかり対策しましょう。

症状

瓜実条虫は、犬や猫に寄生してもほとんど無症状です。
瓜実条虫は毒性の低い寄生虫で、命にかかわる危険性も低いと言えます。

基本的にはほとんど症状は見られませんが、大量に寄生された場合には食欲不振や嘔吐、下痢、活動低下などの症状が見られます。
ただ、これらの症状は他の病気でも現れることもあるため、瓜実条虫であるとの判断は難しいかもしれません。

しかし、瓜実条虫の場合は、肛門周辺のかゆみという特徴的な症状があるのです。
瓜実条虫は寄生すると、片節が宿主である動物の肛門周辺に付きます。
この片節が原因でかゆみが発生するのです。

肛門の周辺を舐める、肛門を地面にこすりつけるなどの様子が多く見られるようになります。
こうした行動をするようになったら、瓜実条虫かもしれません。

また肛門から片節がはみ出ていたり、排せつ物に片節が混ざっていたりすることもあります。

原因

瓜実条虫に感染する原因はノミです。
瓜実条虫を体内に持ったノミを飲み込んでしまうことで、経口感染するのです。

猫の場合、毛づくろいによって感染する場合が特に多いです。
ノミに吸血されると強いかゆみが発生するため、体を舐めてしまうのでその際に皮膚に付いているノミを食べてしまうのです。

愛猫が瓜実条虫に寄生された場合、身近にノミがいることになります。
瓜実条虫とノミのどちらも対処するようにしましょう。

予防・治療法

瓜実条虫の予防・治療をするには、体内の瓜実条虫の駆虫とノミの駆除の両方を行う必要があります。

まず予防ですが、室内を清潔に保つように心がけましょう。
飼育環境が清潔に保たれれば、身の回りのノミを減らすことができます。

もし寄生されてしまった場合は、瓜実条虫の駆虫とノミの駆除を行います。
虫下しを投与し、ノミの駆除薬も使用しましょう。

猫の虫下しにはFeli-D(ドロンタールジェネリック)という薬があります。
瓜実条虫だけでなく、鉤虫や猫条虫など内部寄生虫に幅広い効果を発揮します。

しかし寄生されても、症状が現れないまま排せつ物と一緒に体外に出る場合もあります。
その場合は特に治療などは行わなくても問題ないでしょう。

鉤虫

鉤虫は、日本にもたくさん生息している内部寄生虫です。
別名で「十二指腸虫」とも呼ばれており、様々な種類が存在します。
犬鉤虫、猫鉤虫、ズビニ鉤虫、アメリカ鉤虫など。

この中で、主に猫に寄生するのが「猫鉤虫」です。
鉤虫は、白い糸状の見た目で体長が約1~2㎝ほどで、衛生状態の悪い地域に生息しています。

鉤虫は動物の体内に入ると小腸に寄生します。
鉤虫の口には、鋭い牙が付いています。
その牙で小腸の粘膜に噛みつき、吸血することもあり動物の体に大きな負担を与えると考えられるでしょう。

子猫の場合、ショック死を起こす危険性があるため、感染を防ぐことが最も重要です。

症状

鉤虫は若いときに感染するほど症状が重くなる傾向にあります。
成猫の場合は貧血や腹痛、体重の低下など、体の不調が続くような慢性的な症状が見られます。

しかし子猫の場合、発症すると急性型の症状になることがほとんどです。
下痢や血便、母乳を欲しがらなくなるなどの症状が見られ、最悪の場合にはショック死を起こすことも。
非常に危険な状態となるので、早急に対処する必要があります。

原因

鉤虫に感染する原因は、経口感染によるものが多いです。

鉤虫に感染した猫の排せつ物には、鉤虫の卵が混ざっています。
その卵が他の猫の口に入ることで感染します。

また経皮感染する場合もあります。
鉤虫の幼虫が猫の皮膚に侵入することを、経皮感染と言います。

猫の場合、犬とは異なり胎盤感染は起こらないとされていますが、胎盤感染が起こるという一説もあります。
注意するに越したことはないでしょう。

予防・治療法

猫の鉤虫は経口感染だけでなく、経皮感染もあります。
そのため、他の動物の排せつ物を口にしていなくても、寄生される可能性があります。

完全室内飼いの猫の場合、寄生される可能性は低いかと思います。
それでも何らかの異変を感じた場合は、念のため動物病院で検査を受けましょう。

万が一、感染してしまった場合は駆虫薬を使用して治療を行います。

猫の鉤虫駆虫薬には、ドロンタール錠猫用というお薬があります。
猫専用に開発された内部寄生虫の駆虫薬で、鉤虫や条虫などに効果を発揮。
多くの寄生虫に効果を示すため、猫の駆虫薬と言ったらこの商品が挙げられます。

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