猫の歯・口腔の病気

皆さん、愛猫のデンタルケアはしていますか?

歯周病や口内炎は人間がかかる病気としても広く知られていますが、これらの病気は猫にもかかることがあります。

「よくなる病気なら放置しておいても、そのうち良くなるだろう」と思い放置してしまう飼い主さんもいるかもしれませんが、実は猫の歯周病や口内炎は治療せず放置してしまうと命を脅かすこともあるのです。

また、歯周病や口内炎から全身疾患や感染症などが見つかる場合もあります。

そのため、愛猫の口腔内に何かしらの異変を感じた場合はすぐに病院へいき獣医師の診察を受けることが大切です。

また、日頃から愛猫の口の中を清潔に保つことも大切で、週に2~3回は歯ブラシをするようにしましょう。

定期的に歯ブラシをすることで、歯石の付着を防ぎ口腔内を観察することですぐに異変に気づくこともできるのです。

この記事では、猫の歯周病、口内炎にについて症状や原因、予防・治療方法について詳しく解説しています。

愛猫の口臭が気になる、口の中が赤くなっているなどの症状が出ている場合はぜひ参考にしてみて下さい。

歯周病

歯周病とは、歯の周辺の歯周組織に炎症が起こっている病気のことです。

歯周病は猫がかかる病気の中で最も多いことを知っていますか?

「愛猫の口臭が気になる」

「歯茎から出血している」

「ヨダレが多い」

などの症状に心当たりがあれば、要注意です。

歯周病は多くの猫に発症する病気ですが、「猫がよくかかる病気なら放置しても大丈夫!」と甘い考えは大間違いです。

歯周病が進行すると、痛みが出て食欲がなくなったり、元気がなくなったり、さらに炎症が顎の骨にまで達してしまい歯が抜け落ちてしまったり、最悪の場合死に至ることもある恐ろしい病気なのです。

実は、猫の歯周病は、3歳を超えた成猫の80%以上がかかっていると言われています。

歯周病が進行すると、全身麻酔を施し溜まった歯石を除去する手術を行います。

猫にとっては麻酔をすること自体負担となりますし、手術ともなれば飼い主さんの金銭的負担も大きくなりますよね。

歯周病にならないためには、愛猫のデンタルケアが大切です。

愛猫の性格によってはなかなか口の周辺を触らせてくれなかったりと最初は苦労しますが、根気強く慣れてもらうことで愛猫とのスキンシップにもなります。

そして、愛猫の口内を日頃から観察していると、異変が出たときでもすぐに気づいてあげることができます。

では、さっそく歯周病とはどんな病気なのかを詳しく見ていきましょう!

症状

猫の歯周病の症状として、

  • 口臭がきつい
  • 歯茎が腫れている
  • 歯茎から出血している
  • ヨダレが多くでる
  • 歯が黄色になる
  • 食欲がない
  • 元気がない
  • フードを食べこぼす
  • 固い物を食べられなくなった
  • 頬に穴が開く
  • 頻繁にくしゃみをする

などが上げられます。

まず、歯周病になると、猫の口臭は強いアンモニア臭のような匂いがします。

食後でもないのに口が臭い、または猫が毛づくろいをして舐めていた部分が臭い場合は注意が必要です。

匂いが気になると思い口の中を見ても、歯石や歯茎の腫れなど口内に異常がないこともあります。

その場合、場合でも腎不全や全身性の病気の可能性も考えられます。

口臭がきつくなった時は口の中に異変がないからといってそのままにしないようにしましょう。

そして、猫の歯は元々滑らかな白い歯をしていますが、歯垢や歯石が付着すると、歯の表面に黄ばみがつきやすくなるのです。

しかし、歯垢や歯石だけではそこまでの着色はしませんが、重度の歯周病の場合ですと歯の内部の歯髄と呼ばれる部位が炎症を起こし、すると歯全体の色が変化します。

ヨダレが多くなる要因として、口の中の痛みが考えられます。

猫は犬のように常にヨダレが出る生き物ではありませんが、痛みが出ると唾液を分泌するようになります。

また、痛みが強くなるに連れて食欲がなくなったり、元気がなくなったりといった症状が出ます。

こういった症状が出た時に食欲や元気がない原因は歯周病とは思いませんよね。

そして、歯周病が進行すると歯髄骨という歯をしっかり固定している部分に炎症を起こしたり、その周辺の組織を破壊してしまうため歯がグラグラし、普段食べているフードが食べづらくなり食べこぼしてしまったり、固いものを噛めなくなることはあります。

そのままにしておくと歯が非常に不安定な状態となり、歯が抜け落ちてしまうこともあるのです。

さらに歯周病が悪化すると、頬から膿が出たり、口の周りの骨を溶かしてしまい穴があくことがあります。

また細菌や膿が鼻の骨にまで及ぶと、鼻腔内にも炎症が起こり、頻繁にくしゃみをしたり、膿の混ざった鼻水がでるようになります。

このように歯周病は症状が進行すると歯が抜け落ちてしまったり、頬の肉を溶かしてしまうこともあるのです。

口臭がきつくなる原因は歯周病以外にも考えられますが、比較的に軽い症状である口臭で気づいた時に治療を行えば病気の進行を止めることができます。

原因

歯周病は歯の隙間に詰まった歯垢の中に潜んでいる細菌が原因で炎症を起こします。

歯周病の原因ともなる歯垢は、食べ物の残りカスが歯の表面に付着し、細菌が繁殖したものです。

その後、細菌は繁殖を続けながら同時に毒素を出します。

この細菌の出す毒素が原因となり歯肉の炎症を起こします。

炎症している部位が歯茎の歯周ポケットに侵入すると、外からは見えづらくなりますが、歯周組織内では炎症が徐々に進行していきます。

その後歯周病となり、歯周組織の破壊を始めます。

また、猫の場合は細菌の住み家となる歯垢や歯石が付着していない場合でも、猫白血病ウイルス感染症や猫エイズ感染症、または糖尿病などの慢性疾患で免疫力が低下している状態ですと歯周病にかかりやすくなります。

免疫力が低下した状態ですと細菌が体の中で繁殖しやすくなるためです。

歯周病の原因ともなる歯垢は食べ物の残りカスなどが原因となり、放っておくと石灰化して歯石となります。

さらに歯石ができると歯垢もつきやすくなり、その結果細菌が繁殖していきます。

猫の歯の構造は、大きく分けると表面のエナメル質、その下の象牙質、そして神経や血管などが集中する歯髄の3層で成り立っています。

元々野生で生活する猫は食べ物を噛まずに丸呑みするため、歯に残りカスが溜まることは少ないのですが、人間に飼育されている猫は柔らかい食べ物ばかり食べるためどうしても、歯に食べかすが残りやすいのです。

歯垢が溜まりやすくなる要因として、代表的なものはウェットフードです。

ウェットフードは水分量が多く、ドライフードよりも猫の口内に残りやすく歯垢になりやすいと言われています。

そのため、ドライフードを食べている猫よりもウェットフードを食べている猫のほうが歯周病になりやすいのです。

最近では、歯垢の蓄積を予防するキャットフードやおやつも出ているようですので、普段のブラッシングと並行して、食事に工夫を加えてみるのも1つの方法ですね。

また猫の歯周病の原因として、飼い主さんが愛猫のデンタルケアを怠っているというケースが多く考えられます。

猫は元々気まぐれな性格で、懐くこともあれば、自分が遊んでほしい時以外は近づかないなど個体によっても様々です。

なかなか歯磨きをすることを許してくれない猫もいますが、根気強く続け歯垢を溜めないことが大切です。

予防・治療法

歯周病はそのまま放置していても治る病気ではありません。

愛猫の異変に気がついた時はすぐに病院へ連れて行くようにしましょう。

歯周病の治療は進行具合により異なりますが、歯石が付着している場合は歯石の除去を行います。

猫の場合は、歯石を取るために全身麻酔が必要で、麻酔をした後は人間の歯石除去にも使用される超音波スケーラーを使用し、歯石を落としていきます。

歯石を除去する時に、グラグラして抜け落ちてしまいそうな歯があれば抜歯することもあるようです。

抜歯をした場合は、感染症の予防のために抗生剤の注射やお薬を投薬することがあります。

歯周病の進行にもよりますが、抜歯ができないほど酷い状態でしたり、症状が顎骨にまで及んでいた場合には歯科以外治療も必要となります。
進行した歯周病でなければ、歯石を除去し炎症が収まれば徐々に以前のようなキレイな歯に戻ります。

このように猫の歯周病治療は全身麻酔をするためとても大変なのです。

ですが、普段から愛猫の歯をケアしてあげることで歯周病を予防することができます。

できれば子猫のうちから歯磨き習慣を身につけておくと、口に触られたり歯ブラシを使用することに抵抗がなくなります。

最初のうちは猫の口の周りを触ることから始めましょう。

その後は指にガーゼやペットショップやホームセンター、通販サイトなどで販売されている歯磨きシートを指に巻き優しく歯や歯茎に触れます。

そして、それにも慣れてきたら猫用の歯ブラシを使用して歯垢を落とします。

歯ブラシは動物専用の歯ブラシを使用しますが、360℃どこからでも歯を磨くことができる「コロデンス」という歯ブラシがおすすめです。

最初はゆっくりと慣れさせてあげることが大切です。

すごく嫌がる場合には無理にでも押さえつけてやる必要もありません。

徐々に口周りに触れることから慣れさせ、口の中へ指を入れる、その後歯ブラシを入れるっといった工程で行います。

歯磨きは、毎日行うのが難しい場合は2~3日でも大丈夫です。

食べ物の残りカスなどが歯垢になり、それが歯垢に変わる期間は約1週間と言われています。

そのため1週間以上は開けないようにしましょう。

歯磨きができない場合でも最近では、歯磨き効果のあるおもちゃやデンタルガムなどが販売されています。

それらのグッズを使用し歯磨きが出来ない日は補ってあげると良いでしょう。

しかし、これらのグッズはあくまでも補助グッズなのです。

歯と歯の隙間に溜まってしまった歯垢を落とすことはできないため、歯ブラシを使用しデンタルケアを行うことが大切です。

口内炎

口内炎とは、口の中の組織に起こる炎症のことです。

猫が口内炎になると、ヨダレが多くなる、食欲がなくなる、口臭がきつくなるなどの症状がでます。

口内炎の主な原因は、猫エイズや猫白血病ウイルス、歯周病、免疫力が低下していることで、特にウイルスに感染し口内炎が起こる場合は「難治性口内炎」と言いとても強い痛みを伴います。

難治性口内炎の場合は、完治することはないですが放置してしまうと、口内炎の痛みから食欲不振だけでなく脱水、衰弱をも招き、死に至ることもある恐ろしい病気です。

人間と同じように猫も口内炎になると痛みを感じるため、気づいたらすぐに病院を受診することが必要です。

口内炎の場合、原因や症状によって異なりますが、炎症や痛みを抑える薬を投薬、または歯周病が原因の場合は歯石を取るなど根本的な治療を行います。

症状

口内炎の主な症状として、

  • ヨダレが多く出る
  • 口臭がきつくなる
  • 口の周辺を触ると痛がる
  • 口周辺を引っかる仕草をする
  • 食欲がなくなる
  • 口の中が赤くただれる

などがあげられます。

猫の口内炎も人間と同じように痛みを感じます。
痛みを感じるといつもより唾液を分泌するため、ヨダレが多く出るようになります。

また、口を気にするような仕草、口周辺を触れるのを嫌がる素振りをします。

いつもよりヨダレが多い状態で口周辺を触れるため手がヨダレで濡れているということもあります。

そして、食べると痛みを感じるためフードを食べこぼしてしまったり、いつもより食べるスピードが遅くなったり、食欲がなくなったり、重症化すると水も飲まなくなるといった症状がでます。

原因

猫の口内炎は原因が様々ありますが、異物や外傷、感染症、アレルギー、栄養欠乏、免疫疾患、糖尿病などの全身疾患、歯周病が原因で起こります。

先の尖ったものを噛んでしまったり、電気コードを噛んでしまい感電するとその外傷から細菌が侵入し炎症を起こすことがあります。

また、感染症の場合は猫カリシウイルスや猫ウイルス性微気管炎によるものが多いと言われていますが、猫エイズや猫白血病ウイルスに感染し口内炎が発症すると、「難治性口内炎」と言い、慢性的に口内炎が出来てしまいます。

免疫系の疾患が原因の場合は、腎不全、糖尿病などの全身疾患によって免疫が抑えられた状態となり、二次的に口内炎を発症することもあるようです。

そして、歯周病が原因で口内炎が起こることもあります。

歯周病の場合、歯垢や歯石の周りで細菌が原因となり炎症を引き起こし歯肉炎となりますが、それが原因で口内炎も引き起こしてしまうこともあります。

また、人間と同じように猫も主にビタミンB2など必要な栄養素が欠乏すると口内炎になります。

予防・治療法

口内炎の治療は、基本的には口腔内を消毒し、炎症を起こしている部分に抗生物質や抗炎症薬などの薬を塗布、または投薬し治療を行います。
また口内炎の原因となった異物や歯垢、歯石の除去を行うこともあります。

難治性口内炎の場合は、完治することがなく治療が長期間に及び、何度も投薬を行うと徐々に薬の効き目も悪くなってしまいます。

そのため、主に対症療法で痛みを緩和したりします。

口内炎の予防には、感染症予防のワクチンを定期的に接種したり、栄養が偏らないような食事、ストレスを溜めさせない生活環境が必要です。

例えば、口内炎予防ともなるビタミンは、うなぎや納豆、レバー、チーズ、いわしから摂取することができます。

毎日のご飯に一工夫をすることで口内炎予防にも繋がります。

私の場合は、毎日これらの食材を使用しレシピを考える時間がないため「プロデンプラークオフパウダー」という商品を通販サイトで購入しています。

このパウダーはいつものご飯に混ぜることで、口臭や歯垢を減少してくれる効果があるためとても助かっています。

また、ストレスが溜まることで免疫力が低下します。

そのためには普段から適度な運動をさせ、ストレスを溜めさせない環境を作ってあげることも大切なのです。

そして、愛猫にヨダレが多くなる、口臭がきつくなる、食欲がなくなったなどの症状が出た場合は、決して放置してはいけません。

気づいたらすぐにでも動物病院へ連れていき、獣医師の診察を受けるようにしましょう。

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